日本予防医療協会 代表理事
金城先生にインタビュー
最先端医療のフィールドで活躍する臨床医、予防医療との出会い
最先端医療のフィールドで
活躍する臨床医、
予防医療との出会い


以前は臨床医をされていたそうですが。

予防医療に携わる前は、バリバリの臨床医でしたよ。岡山大学医学部付属病院の麻酔科に16年間勤めていました。麻酔科医の仕事は、一言で言うと「患者の状態を保つ」こと。手術の現場でいえば、まず術前の患者の状態を診て、手術できるかどうかを判断する。手術中に患者の容態が悪化すれば、安定させるために手を尽くす。もちろん術後のケアも行います。
また、集中治療室に入っている重症患者を診るのも麻酔科医の仕事なんですよ。重症患者を人工呼吸や人工心臓、人工透析、輸血など、最新技術を駆使して治療にあたる麻酔科医は、全身管理のエキスパート。特に岡大病院の麻酔科は、技術や設備の面でも全国No.1でした。他の病院では受け入れが難しいほどの重症患者も、私たちが持っている最先端のテクニックと豊富な知識で治療できる。「自分たちにしか治せない」という自負をもって任務にあたっていましたし、それは大きなやりがいでもありました。

予防医療との出会いはどういったものだったんですか?

医者になって4年目のとき、ニューヨークに2年間留学し、そのときの研究で博士号を取得しました。帰国して約10年後、留学先で家族ぐるみで親しくしていた、信頼のおける医師が来日し、岡山の我が家に来て、こう言ったんです。「金城、これからは予防医療の時代だ」と。そんな風に言われても、はじめは全くピンとこなかった。何せ当時は教授を目指して論文を書くなど、臨床医としてのまあまあのエリートコースを歩んでいたわけですから(笑)。
しかし、彼が持ってきた予防医療についての論文などを読んでいくと、ドイツやアメリカ、オランダなど、日本がお手本としてきた西洋医療先進国では、今から60年以上前から予防医療に国策として取り組んでいるんですね。さらに深く学んでいくうちに、予防医療は日本の将来にとても重要なものではないかと考えるようになってきました。
現代医療では病人を減らせない現代医療では
病人を減らせない

具体的にはどう考えられるようになられたのですか?

恥ずかしい話ですが、私はずっと、早期発見・早期治療を行っていれば病気になる人は減らせると信じていました。しかし、最先端の技術で多くの患者を治療してきたのに、がんや生活習慣病にかかる人は全く減っていない。もちろん、病気にかかって苦しむ人を救うために、現代医療はとても重要です。
けれど、自分が今まで極めてきた現代医療では、「病気にかかる人」そのものを減らすことはできないのです。健康な高齢者を増やし、医療費や介護費を減少させるには予防医療に真剣に取り組むべきだと考え、大学病院を辞めて独立し、それからずっと予防医療を広める活動を行ってきました。
地方の元気は日本の元気、子や孫の世代に明るい未来を残したい
地方の元気は日本の元気、
子や孫の世代に明るい未来を
残したい


医療の視点から、今後の日本に必要なことはなんでしょうか?

今のままだと、地方は“姥捨て山”になってしまうと思います。地方は都会に比べて高齢者が多いので、自治体の医療費や介護費もそのぶん増えますよね。そうなると、それを負担する若者は疲弊してしまって、老人が少なくて医療・介護費の負担も軽い都会に流れていく。そして全国各地に限界集落が増えていく…そんな風になっていく日本は、なんだかちっとも豊かじゃない。日本が豊かであるためには、地方が元気でないと。高齢者の多い地方から元気になってもらわなきゃいけません。

そのためには予防医療が必要だと。

はい、地方が元気になるための具体的な方法は、やはり予防医療しかありません。自分の体が本来持っている自然治癒力を高めて、服薬や通院、介護が必要となる時期を遅らせていく。健康になることで自分の子どもや孫、ひいては社会の役に立っているという実感は、人生の生きがいにもつながってくるはずです。自分も家族も友人も元気に年をとって、日本の未来を明るく豊かにしていくために、今日から出来ることをみなさんといっしょに始めてみたいと考えています。

今日はありがとうございました。


金城先生は現代医療の第一線を走り続け、先進医療を極めたからこそ予防医療の重要性に気付き、全身全霊をかけて普及に取り組まれているのだと感じました。自分が健康でいることで、周りの人が幸せになる…こんなに素晴らしいことはないですよね。これからも予防医療についてより深く学んでいきたいですし、予防医療診断士として皆さんのお手本となれるよう、健康で若々しくありつづけなければと改めて思いました。ひとまず、お腹回りをもっとスリムにできるよう頑張ります(笑)!。



東京生れ。1981年岡山大学医学部卒業、麻酔科に入局。1985年より2年間ニューヨークのアルバート・アインシュタイン医科大学に留学。岡山大学医学部付属病院、麻酔科病棟医長として活躍。1996年12月に大学病院を辞職して独立。2003年株式会社MD ジャパンを設立。分子栄養学・運動生理学を基礎に開発した『医者がすすめるメディカルダイエットプログラム』を病院を中心に全国展開。2004年予防医療・健康セルフチェックプログラムの開発を開始し、2007年ドクターセルフチェック完成。2014年ドクターセルフチェックウェブ版をリリース。同年4月、予防医療の人材育成のために(社)日本予防医療協会を設立。全国での予防医療診断士養成講座をスタート
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